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2013年1月27日 (日)

『ニコイチ住宅』とは?被差別部落の公営住宅

同和対策事業により、被差別部落には大量の公営住宅が建設されました。家を新築する資本のない被差別部落の住民は、ほとんどがこの公営住宅に入居しました。結果、居住環境はかなり改善され、被差別部落の経済力改善に大きな効果をもたらしました。

被差別部落の公営住宅はほとんどが市町村運営です。県営もいくつかはあると記憶していますが、国営は聞いたことがありません。
どのような住宅であるかは地域によって様々です。同じ市町村でも地域ごとに違う建物があるくらいです。同じ地域ならば、建物はほとんど同じかと思います。

公営住宅はおおまかに分けてニタイプあります。一つはアパート型で、もうひとつは一戸建て型です。

アパート型の建物は、一般的な公営住宅と同じです。雇用促進住宅とか六十年代の新興住宅地にある公営住宅と同様です。ただ被差別部落はそんなに人口密度が高くないので、アパート型はほとんどが二階建てで、一階建ても珍しくありません。

一戸建て型の建物は、二戸一住宅とも呼ばれ、アパート型が一般的な公営住宅と同様の建物なのに対し、こちらは被差別部落特有のものだと言われています。ただし被差別部落でない地域にも二戸一住宅の目撃例はいくつもあります。
『二戸一』は、『二戸で一つ』という意味です。大抵の場合、二階建てで車が一台入る程度の庭がついています。この二戸一住宅は二戸ずつペアで隣り合っていて、二つの家を結ぶ通路があります。この通路を開放すれば二戸を一戸として使うことができ、閉鎖すれば一戸ずつの住宅になります。これが二戸一住宅と呼ばれる所以です。

二戸一住宅に対する評価はいろいろあります。被差別部落は子沢山だったり、三世代異常同居していることが多く、大家族で住みたいという要望に答えた効率的な住宅である、という意見があれば、大きな住宅を作らなかった自治体の手抜きだ、という意見もあります。

二戸一住宅は時折、被差別部落の特定に利用されます。二戸一住宅のある地域は被差別部落だ、と判断するのです。ただし、前述のとおり被差別部落でない地域にも二戸一住宅は存在するので、二戸一住宅の有無で被差別部落かどうかを安易に判断するのは誤りです。

被差別部落の公営住宅は「同和住宅」とも呼ばれ、、建造されて間もないころは被差別部落の住民しか入居できませんでした。しかし時が立つにつれ、入居していた住民が家を新築したり、少子高齢化による過疎などで空家が増えました。現在では、ほとんどの公営住宅が、被差別部落外の人間でも入居を認めています。

以上が、被差別部落の公営住宅の概要です。この公営住宅は前述の被差別部落特定や空家の増加、被差別部落外の住民入居など、様々な問題が起こっています。具体的な問題例については、また別の記事で書こうと思います。

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